東京の街を騒がせる選挙カーの喧騒。2023年、私たちはまだ黎明期にあったAIと、その「あまりにトボけた嘘」に一喜一憂していた。かつてYouTuberのRaMuさんが選挙カーの騒音で配信を断念したあの日、AIが語った言葉には、今見返すと強烈なパトス(哀愁)が漂っている。
当時のAI(ChatGPT)は、情報を生成する際に「もっともらしい嘘(ハルシネーション)」を平気でつくことがあった。その代表例が、お笑い芸人・ハライチの澤部佑さんが区議選に出馬したという、今となっては笑い話にもならない壮大なデマである。
AIは当時、澤部さんが「芸能活動と区議会の仕事を両立させる」と語ったなどと詳細に述べていたが、当然そんな事実は一切なかった。この「機械がつく嘘」の切なさと、それを信じそうになる人間の危うさ。それこそが、私たちがAIと共に歩み始めた初期の、どこか情けなくも愛おしい風景だったのかもしれない。
【2023年の混乱】選挙とYouTuber、そしてAIの迷走
2023年の統一地方選挙では、へずまりゅう氏やガーシー氏といったYouTuberの立候補が世間を騒がせた。AIはその情報を処理しようとして、へずまとへずまりゅうを混同し、存在しない「澤部区議」を誕生させたのだ。今の進化したAIからすれば、なんともトボけた失態である。

【2026年の視点】AIの嘘は「哀愁」へと変わったのか
2026年の現在、AIの精度は飛躍的に向上した。しかし、あの頃の「嘘をつくAI」が持っていた、どこか人間臭い「不完全さ」を、私たちは忘れてはいけない。文部省や農水省が導入を検討し始めた当時のワクワク感と、足元をすくわれるようなハルシネーションの恐怖。それは、新しい技術が社会に溶け込む際に必ず通る、パトスに満ちた儀式だったのだ。
私たちは今、より正確で、より寄り添うAIと共に生きている。しかし、時折あの2023年の「トボけた嘘」を思い出すことで、技術の進歩をより深く実感できるのではないだろうか。
【まとめ】進化し続けるAIと共に、私たちはどこへ行くのか
AIは常に進化し続け、過去の自分を「嘘つき」として切り捨てていく。しかし、その「情けない過去」の上に、今の便利な生活が成り立っている。2026年のゴールデンウィーク。過去のログを読み返しながら、私はAIが持つ、決して消えることのないパトス(哀愁)に、そっと想いを馳せるのである。



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